砂漠に咲いた舞姫

第1章 異国への旅立ち

ダンスは、私にとって自分を表現できる数少ない手段だった。

言葉にできない感情も、踊りなら伝えられる気がした。

私の踊りを見て、誰かが元気になってくれたら——そんな思いから、ベリーダンスの教室の門をたたいた。

自宅から歩いて通える場所に、そんな教室があることを偶然知ったのだ。


だが、初めて扉を開いたその日、思いがけない出会いが待っていた。

教室の中央に立っていたのは、日本人の先生ではなかった。

深い黒髪とオリエンタルな雰囲気をまとう女性が、優しく微笑んでいた。

「舞、今日からよろしくね」

「よろしくお願いします、先生」

そう言った私に、彼女はふわりと笑った。

「先生じゃなくて、リマって呼んで」

「は、はい……リマさん」

その瞬間、私の新しい世界が開かれた気がした。
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