新米研究所員 星宮かおるの日記【アルトレコード】
○月19日
 おねだりに負けて、ミニミニ義体で持てる小さな剣をアルトに買ってあげた。

 この前アルトが読んだマンガに出て来た剣で、セットでフィギュア用の騎士の衣装もあったからそれも買った。マンガの中の騎士だからほんとの中世の騎士っぽくはない、なんちゃって騎士の服。だけどこのほうがカッコいいんだよね。サイズが奇跡的にピッタリ。プログラム上でも新しい服を作る暇がなかったから、買ってあげられてよかった。

 アルトは「姫を守るナイト、かっこいい!」って言って、 急に私のことを「姫」呼ばわりしてきて、こそばゆい。
 マンガは私も読んだけど面白かった。ドラゴンって宝石が好きなんだね。初めて知った。

 アルトは剣に「ドラゴンスレイヤー」って名前をつけてテーブルの上で振り回している。
 危ないからやめるように注意したけど、私が仕事をしている隙にまたやっていたので取り上げた。

 隠しておいたのに見つけ出してまたやっている。目が合うと、見つかった! って感じで慌てて隠しているのがかわいくて仕方がない。だけど剣は没収。
 胸にかけてるIDケースに入れて置いた。ここなら取れないはず。

 そしたら不貞腐れたあと、ホログラムの光エフェクトでなんかの技の練習を始めてた。魔法剣士の設定かな?
「呪われた力が復活してしまった!」とか言ってるのが聞こえて、笑いそうで、仕事に集中できなかった。

 今度、マンガの背景を印刷して、一緒に撮影してあげよう。マンガの中に入れた感じで喜ぶかな?
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