本当の自分
・・・私に、そんな力が・・・?

「じゃあ、そろそろ戻る?
 もう、危なくなってきたしね」

そう言ってる間にも、光線は飛び交い、
昔の私を、紗羅を、取り巻く。

「というか、そろそろ限度だね」

昴は、そうつぶやくと、また意識を集中させ光の渦を出現させる。

「さぁ、早く!!」

私は慌ててうなずくと渦の中へ行き、昴に急かされながらも最後に後ろを振り向く。

最後に見たのは、紗羅の倒れる姿。
そして最後に考えたのは。

私は、この事を。沙依の事を。
全く覚えていない、不自然さ。
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