奥さまが恋に落ちるまで
翼が数日だけ学校を休んだ頃、大ちゃんが迎えに来て、
「ネチネチとうるせえ女子なんて、俺がぶっ飛ばしてやるから、お前は何も気にすんな!」
如何にもガキ大将らしいことを嬉々として言うので、ヒヤヒヤしてしまったが、
「ありがとう。でも、ぶっ飛ばすのだけはやめてあげて。可哀想だから」
翼が苦笑いで言い、胸をなでおろした。
それから、翼はもう登校拒否することもなくなったが、仲の良い友達はガラリと変わり、大ちゃんを筆頭に男の子ばかりに変わった。
「よっぽどモテるのが嫌なんだね。なかなか面白い子に育ったな」
夫は可笑しそうにそう言っていた。
そんな風に、おとなしくも硬派な感じの子に成長した翼は、小学6年の晩夏になって、おもむろに、
「中学受験したいんだ」
唐突に言い出した。
「えっ、今から!?それはチョット遅いんじゃ⋯⋯」
「ネチネチとうるせえ女子なんて、俺がぶっ飛ばしてやるから、お前は何も気にすんな!」
如何にもガキ大将らしいことを嬉々として言うので、ヒヤヒヤしてしまったが、
「ありがとう。でも、ぶっ飛ばすのだけはやめてあげて。可哀想だから」
翼が苦笑いで言い、胸をなでおろした。
それから、翼はもう登校拒否することもなくなったが、仲の良い友達はガラリと変わり、大ちゃんを筆頭に男の子ばかりに変わった。
「よっぽどモテるのが嫌なんだね。なかなか面白い子に育ったな」
夫は可笑しそうにそう言っていた。
そんな風に、おとなしくも硬派な感じの子に成長した翼は、小学6年の晩夏になって、おもむろに、
「中学受験したいんだ」
唐突に言い出した。
「えっ、今から!?それはチョット遅いんじゃ⋯⋯」