紅の基本
赤
「ここが私の家。」
少年は物珍しそうにまわりを見渡していた。
「私の部屋行こう。あ、пойдем в моюкомнату」
「да」
この単語はわかる。はい、だ。賛成してくれなかったらどうしようかと思った。そう言えば夜ご飯準備してなかったな…。簡単にチャーハン作るか…。
「夜ご飯作るから先に部屋行っといて………あ、
Я приготовлю ужин на двоих, поэтому сначала пройдите, пожалуйста, в свою комнату.」
翻訳するのが面倒くさくなってきた…。私の理解不足もあるけど…。
でも少年は首を振った。部屋の位置が分からないのか、はたまた一人が嫌なのかは知る由もないが。
言語に不自由がある二人なので、その後はあまり喋らなかったし、特に気まずい訳でもなかった。卵を掻き混ぜたり、炒めたりといい匂いがしてきて、お腹が鳴ってしまったり。音と匂いで充満した部屋だった。
すると、少年は歌い始めた。私の聴いたことのある旋律、聴いたことのある単語。そう、公園で私が歌っていた、カチューシャの歌だ。私もなぜだかのってきて、一緒に歌い始めた。
「らぁすゔぃたぁりやぁぐらにいぐるーし
ぱーぷりにーじゅぱーりなとりこーい
ゔぃはぁじぃいらなーゔぇりぇくかちゅーしゃ
なーびそーきゔぇーりぇくなっくるとーい」
私が聞こえた歌をひらがなに変換して覚えた歌。まだ一番しか覚えてないが。少年は驚きつつ、目をとても輝かせていた。私は日本語で歌い始める。
「林檎の花ほころび
川面に霞立ち
君なき里にも春は忍び寄りぬ」
少年は意味は分からないようだが、旋律で分かったようだ。言語に壁のある私たちでも、これだけ歌で分かち合えるのが私も楽しくて、炒飯が少し焦げてしまったのは少年には内緒の話だ。
「あのさ、筆談でしてくれたらさ、助かるかなぁって。」
失礼ながら翻訳がめんどくさくなった私は、カメラで翻訳するために、紙とペンを持ってきて、書くジェスチャーをして紙とペンを差し出した。
少年は黙って書き始めた。
少年は物珍しそうにまわりを見渡していた。
「私の部屋行こう。あ、пойдем в моюкомнату」
「да」
この単語はわかる。はい、だ。賛成してくれなかったらどうしようかと思った。そう言えば夜ご飯準備してなかったな…。簡単にチャーハン作るか…。
「夜ご飯作るから先に部屋行っといて………あ、
Я приготовлю ужин на двоих, поэтому сначала пройдите, пожалуйста, в свою комнату.」
翻訳するのが面倒くさくなってきた…。私の理解不足もあるけど…。
でも少年は首を振った。部屋の位置が分からないのか、はたまた一人が嫌なのかは知る由もないが。
言語に不自由がある二人なので、その後はあまり喋らなかったし、特に気まずい訳でもなかった。卵を掻き混ぜたり、炒めたりといい匂いがしてきて、お腹が鳴ってしまったり。音と匂いで充満した部屋だった。
すると、少年は歌い始めた。私の聴いたことのある旋律、聴いたことのある単語。そう、公園で私が歌っていた、カチューシャの歌だ。私もなぜだかのってきて、一緒に歌い始めた。
「らぁすゔぃたぁりやぁぐらにいぐるーし
ぱーぷりにーじゅぱーりなとりこーい
ゔぃはぁじぃいらなーゔぇりぇくかちゅーしゃ
なーびそーきゔぇーりぇくなっくるとーい」
私が聞こえた歌をひらがなに変換して覚えた歌。まだ一番しか覚えてないが。少年は驚きつつ、目をとても輝かせていた。私は日本語で歌い始める。
「林檎の花ほころび
川面に霞立ち
君なき里にも春は忍び寄りぬ」
少年は意味は分からないようだが、旋律で分かったようだ。言語に壁のある私たちでも、これだけ歌で分かち合えるのが私も楽しくて、炒飯が少し焦げてしまったのは少年には内緒の話だ。
「あのさ、筆談でしてくれたらさ、助かるかなぁって。」
失礼ながら翻訳がめんどくさくなった私は、カメラで翻訳するために、紙とペンを持ってきて、書くジェスチャーをして紙とペンを差し出した。
少年は黙って書き始めた。