わたしがつくった華の特注品


放課後。


女子更衣室で、わたしは保住ちゃんの服を作るために採寸をしていた。

ほぼ放心状態で。


「はぁ………」

「寧々ちゃん……大丈夫?」


保住ちゃんが心配そうにわたしを見てくる。


「全然大丈夫じゃない…断られないと思ってたから……」

「うーん、性格というか、内面? もっと話しとけばよかったかもね」

「うぅ…あんな冷たい人だと思わなかったよ……」


”女からの誘いなんざ俺は受けいれん”


そういった彼の声を思い出しただけで胸が痛い。


「まあ、灰田くんは女嫌いだからね。私、隣の席なんだけど、グループワークのときに結構睨まれたりするんだよね」


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