わたしがつくった華の特注品


「なるほどね…」


一瞬間を置いたあと、彼はなにかをひらめいた時のように、片方の手を軽くグーにして、もう片方の手のひらにポンと叩いた。


「ふふん、いいこと思いついた!柊さん、ちょっと耳貸して」

「え?う、うん」


紅沢くんはわたしの耳に顔を近づける。

紅沢くんの耳打ちが終わった直後、わたしは思わず口を開けた。


「……わ、わたし演技とかダメなんだけど大丈夫?」

「大丈夫だよ。オレが絶対、柊さんを成功に導いてあげる」


その目はなんだか楽しげで、いたずらな光を湛えていた。

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