何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
わたしには幼い頃親同士が決めた許嫁がいる。
親からその存在を聞かされたのは10歳の時だった。
自分には白馬に乗った王子様がいるんだと、それはそれは嬉しかった。
許嫁の家はちょっとした名家で、程なくして許嫁の家柄に恥じないように花嫁修行が始まった。
10歳の子供には厳しい習い事も作法もあったが、まだ見ぬ許嫁の為に頑張れた。
そして実に6年の歳月が流れた頃、ようやく許嫁と対面することとなった。
許嫁の名前は近江敦(おうみあつし)様、わたしより4つ上のかたらしい。
お会いできる前日の夜は緊張のあまり一睡も出来なかったほどだ。
それに、小中高と女子校だったわたしには男性に対する耐性がまるでなく、どう振る舞ったらいいのかも解らなかった。