何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
けれど、実際に会ってみるとそんなわたしの心配なんて吹き飛ぶぐらい優しく素敵な方だった。
その日から、わたし達は時々ふたりで会ってお茶を楽しんだり、お互いの家にお邪魔したりして、結婚に向けて着々と準備を進めていった。
わたし達は、相思相愛の仲。
ーーーだと、思っていたのに。
「っ、…んぅ、」
どうして。
どうしてわたしは絶望の最中、見ず知らずの男性に唇を奪われているのだろう。
何も考えられない。もう何も考えたくない。
土砂降りの雨が容赦なく打ち付けてくる中で、ただただ重なっている唇だけが熱を帯びていたーーー。