何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
わたしの生家は純日本家屋で、築年数もそれなりに経っているからか、どこか重苦しい印象を与える。
わたしは昔からこの家が苦手で、それは家人に対しても同じ感情を抱いている。
切り込み隊長のごとくサッと家に入っていった翠さまに気後れしていると、それに気付いたつかささまが穏やかな表情でわたしに手招きをしている。
「だいじょうぶ」と言っているかのようで、わたしはするすると暗くて重い実家に足を踏み入れた。
突然若い見知らぬ男性がズカズカと家に入って来たものだから、家の中は瞬時にパニックになった。
「きゃあっ!どちら様ですのっ!?」
「奥様っ!強盗かもしれませんわっ!すぐに旦那様と警察をっ、」
「…なぁ、俺って強盗に見える?」
「…見えないこともないよねぇ?すずチャン」
「す、すみませんっ。家の者が無礼なことを…」
バタバタきゃあきゃあ騒いでいたお母様とお手伝いさんがピタリと止まった。