何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「おい、すず。つかさ相手に何顔赤くしてんの」
わたし達の様子を横目でチラチラ見ていたらしい翠さまから不機嫌そうな声がもれる。
「こっちはこっちで仲良くしているから翠は運転に集中してくださーい。ね、すずチャン」
「チッ」
「あ、あの、わたし、翠さまに家までの道を教えなくてはいけないのでっ!つかささまは自由にお寛ぎになっていて下さい…っ」
「えーそうなの?道なんてナビ使えばいいじゃないのー」
ブーブー言うつかささまを宥めつつ、わたし達は予定より結構早く目的地に着いてしまった。
「ここがすずの実家か」
「へぇー、立派な日本家屋だねぇ。お屋敷だ」
「あ、あんまり見られると恥ずかしいです。古い家なので…」
「そんなことないよ。とても趣きがあっていい家じゃないの。ねぇ、翠」
「…行くぞ」
言うなり翠さまはチャイムも鳴らさずにいきなり玄関の引き戸を開けたので、わたしもつかささまも慌てて翠さまに駆け寄り、考えていたよりずっとあっさり実家に足を踏み入れる事が出来てしまった。