何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした
「翠、ごめんって。オニイチャン、お詫びにアイス奢っちゃう!」
「…いらねえ。5分で帰るぞ」
ほぼ無表情で弁当や冷凍食品をポイポイカゴに入れていく翠を見て苦笑がもれる。
そんなに大切かね。
「待って待って、翠。これはね、訓練なのだよ」
「…遣都にすずのこと慣れてもらう為のだろ」
「あれ、バレバレ?」
「お前の考えそうなことだ」
「わかってるなら、もうちょっとゆっくり買い物しよう…」
「けど、遣都の女嫌いは筋金入りだぞ。つかさもわかっているだろう。いくら遣都でも傷心のすずを更に傷付けるようなら許さねぇ」
そう低い声で話す翠の額にはうっすら青筋が見える。
怖いんですけど…。
「まぁ、意図せず傷付けることは誰にだってあるけどね…」
「遣都は意図的にすずのこと傷付けると思うけど?」
「そんなことないよ。いくらすずチャン絡みだからって翠はちょっと遣都のこと偏った目で見がち」
翠はそのまま黙ってまた無表情に戻って食品をカゴに放り込んでいく。
山盛りになったそれをレジへ持って行くと、バイトらしき若い女の子がその頬を赤く染める。