野いちご源氏物語 二四 胡蝶(こちょう)
翌朝早く、源氏の君からお手紙が届いた。
姫君はぐずぐずと寝室にいらっしゃったけれど、女房たちがてきぱきと硯などをご用意する。
「早くお返事をお書きなされませ」
と申し上げるので、しぶしぶお手紙をお開きになった。
いかにも真面目ぶった白い紙に、美しいご筆跡で書かれている。
「あのようなご態度では、つらいけれどかえって忘れられません。女房はどう思ったことでしょう。何もなかったのに何かあったようなお顔をなさっているのではありませんか。あなたは少女のような人だから」
子ども扱いされていることを姫君は腹立たしく思われる。
でもお返事をしないのも不自然なので、事務的な野暮ったい紙に、
「お手紙を拝見いたしました。気分がすぐれないので何も申し上げられません」
とだけお書きになった。
源氏の君はお返事をほほえんでご覧になる。
<芯がある。どう口説こうか楽しくなるような人だ>
と性懲りもなく思っていらっしゃる。
姫君はぐずぐずと寝室にいらっしゃったけれど、女房たちがてきぱきと硯などをご用意する。
「早くお返事をお書きなされませ」
と申し上げるので、しぶしぶお手紙をお開きになった。
いかにも真面目ぶった白い紙に、美しいご筆跡で書かれている。
「あのようなご態度では、つらいけれどかえって忘れられません。女房はどう思ったことでしょう。何もなかったのに何かあったようなお顔をなさっているのではありませんか。あなたは少女のような人だから」
子ども扱いされていることを姫君は腹立たしく思われる。
でもお返事をしないのも不自然なので、事務的な野暮ったい紙に、
「お手紙を拝見いたしました。気分がすぐれないので何も申し上げられません」
とだけお書きになった。
源氏の君はお返事をほほえんでご覧になる。
<芯がある。どう口説こうか楽しくなるような人だ>
と性懲りもなく思っていらっしゃる。