吉野主任は年下大型ワンコ系部下に頭を撫でられたい
「部屋に上がったら告発メールを出してラーメン食べるだけ?」
「……」
そんなはずあるか、無言で抱擁はきつくなる。
「みんなの前であんな風に言えたのは西山君のお陰、勇気をくれてありがとう」
「いえ、俺は何もしてません。あの場で発言する姿を見て、惚れ直しました。カッコいい、最高の上司です」
「上司の私に惚れてたの?」
また抱擁力が増す。
「知ってるくせに。主任が経理部に在籍していた頃から好きです、ずっと好きでした」
私は今夜、踏み止まってきた一線を越えるだろう。もうこの気持ちを偽れない。
「経理部時代からなのは知らない。だから教えて」
「いいですよ、これからゆっくり分からせます」
今になって込み上げてくる涙。緊張と混乱の糸でグルグル巻きにされた本音が解かれていく。
「私ね、強くなんかないの。それでもいい?」
優しく髪を梳かれ、西山君の指先に絡む毛先は自分の物ではないようにサラサラ。触れられる箇所が温かくなり心地良い。
「恋人になったら甘えても、いい?」
「さっそく頑張った恋人へご褒美をあげたいです。何をしたらいいでしょう?」
「とっさに浮かばないな、頭を撫でてくれるとか?」
もっと触れて欲しくて密着すると鼓動が聞こえた。私と同じく高鳴っていて嬉しい。
「はぁ〜どうせなら全力で甘えてくれませんかね? さしあたって小佐田部長を退治しましょうか?」
ふいに本気の気配が漂い、西山君を見上げた。
「俺は主任に対しては従順なワンコですが、それ以外はケルベロスですよ〜」
「地獄の番犬……」
「はい、そちらのケルベロスです」
前後左右を警戒する動きをし、頭が三つあると伝わるケルベロスを表現。そのコミカルな動作に吹き出してしまう。
「もう! せっかくのムードが台無しじゃない!」
「へぇ〜お望みならすぐに雰囲気、作れますが? 待てとお座りは出来ないかもしれませんけど、いいっすか?」
ペロリッと舌を出す。
「……お手柔らかにお願いします」
「善処する」
マンションへ踏み込むと、私達の敬語は入れ替わっていた。
「……」
そんなはずあるか、無言で抱擁はきつくなる。
「みんなの前であんな風に言えたのは西山君のお陰、勇気をくれてありがとう」
「いえ、俺は何もしてません。あの場で発言する姿を見て、惚れ直しました。カッコいい、最高の上司です」
「上司の私に惚れてたの?」
また抱擁力が増す。
「知ってるくせに。主任が経理部に在籍していた頃から好きです、ずっと好きでした」
私は今夜、踏み止まってきた一線を越えるだろう。もうこの気持ちを偽れない。
「経理部時代からなのは知らない。だから教えて」
「いいですよ、これからゆっくり分からせます」
今になって込み上げてくる涙。緊張と混乱の糸でグルグル巻きにされた本音が解かれていく。
「私ね、強くなんかないの。それでもいい?」
優しく髪を梳かれ、西山君の指先に絡む毛先は自分の物ではないようにサラサラ。触れられる箇所が温かくなり心地良い。
「恋人になったら甘えても、いい?」
「さっそく頑張った恋人へご褒美をあげたいです。何をしたらいいでしょう?」
「とっさに浮かばないな、頭を撫でてくれるとか?」
もっと触れて欲しくて密着すると鼓動が聞こえた。私と同じく高鳴っていて嬉しい。
「はぁ〜どうせなら全力で甘えてくれませんかね? さしあたって小佐田部長を退治しましょうか?」
ふいに本気の気配が漂い、西山君を見上げた。
「俺は主任に対しては従順なワンコですが、それ以外はケルベロスですよ〜」
「地獄の番犬……」
「はい、そちらのケルベロスです」
前後左右を警戒する動きをし、頭が三つあると伝わるケルベロスを表現。そのコミカルな動作に吹き出してしまう。
「もう! せっかくのムードが台無しじゃない!」
「へぇ〜お望みならすぐに雰囲気、作れますが? 待てとお座りは出来ないかもしれませんけど、いいっすか?」
ペロリッと舌を出す。
「……お手柔らかにお願いします」
「善処する」
マンションへ踏み込むと、私達の敬語は入れ替わっていた。