星降る夜に
2025年8月10日


また熱が出てる。

薬の効果、続かなかったみたい。

医者の顔が、日に日に暗くなってる。

ママは、私が寝たふりしてるとき、廊下で泣いてた。

悠斗さんが、夜、

こっそり私のベッドサイドに来てくれた。

「彩花ちゃん、星、見に行く?」

って。


身体、動かない、

けど行きたいって言ったら、車椅子に乗せてくれた。

屋上、風が冷たかった。

星、今日も綺麗だった。

「悠斗さん、私、怖いよ」

って、初めて言った。

そしたら、悠斗さんが私の手を握って、

「俺も怖い。でも、彩花ちゃんは、絶対、星みたいに輝けるから」

って。

泣いた。悠斗さんも、目が潤んでた。
< 7 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop