エリート外科医は婚約者を甘やかしたい
「医者は膨大な病気の名前を覚えなければならない。受験で失敗しているようではだめなんだ。」

父の言葉は、私をさらに追い詰める。

私は何も言えなかった。

頭の中で、受験の失敗が無意味だったのかと、疑問が渦巻く。

あんなに努力したのに、この言葉一つで全てが否定されたように感じた。

「だからって、全く違う受付の仕事ですか。」

百歩譲って医療関係だったら、納得したかもしれない。

でも、私の思い描いていたものとはあまりにも違った。

医者として自分の道を歩むために頑張ってきたのに、突然、受付という仕事を押し付けられるなんて。

心の中で怒りがこみ上げてきた。

「病院には話はついている。」

父はその言葉を淡々と口にした。

話を強引に進めようとしている父の態度が許せなかった。

私はどうしてもこれを受け入れられなかった。

確かに父が決めたことだろうけど、それでも私は自分の夢を諦めたくなかった。
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