エリート外科医は婚約者を甘やかしたい
「もう一度だけチャンスをください。」

必死にお願いした。自分の選んだ道を貫きたかった。

受け入れることなんてできない。

再挑戦するためには、まだあきらめたくなかった。

父は黙って私を見つめ、その後、ゆっくりと言った。

「おまえの祖母が言ってきた。二十歳になっても何も将来が決まっていないのは、育て方が悪いと。」

その言葉に、私は胸が締め付けられるような思いをした。

祖母の期待もあったことを知って、私は一層自分の無力さを感じてしまう。


「今は世間体を考えてくれ。」

その言葉に私は、受け入れるしかなかった。

父の言う通り、家族の期待に応えるためにも、今はこの道を進むべきだと感じた。

夢を追い続けることは簡単ではないと痛感したが、今は社会的な立場や周囲の目を考えなくてはならない。

仕事をしながらでも、勉強はできるはずだ。

そう自分に言い聞かせ、私は一旦、受付の仕事をすることを了承した。
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