心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
それもそのはず。
この顏、この姿、この低音で響く甘い声忘れるはずもない。
むしろ…忘れたい。

「こんな地下で…へえー」

気付いてない?
そりゃ私みたいな普通の女覚えてる方が奇跡レベル。

「あの…山田さん今日はどのようなご相談ですか…?」

至って普通に…穏やかに。

「山田…?あぁ…そうか」

目の前のソファに座りテーブルに名刺を置いて足を組んだ。
この光景あの時を思い出す…
初めてこの人を占った時だ。

「拝見します…」

前にも貰った名刺をあたかも初めて貰うかのように手に持った。
態度からすると…気付いてない。

「専務…」

ですよね…
十分知ってる。
それに相当鈍いことも。

(…そっか化粧も格好も髪型も)

似合わないウイッグと深紅の口紅、口元のホクロが役に立つとは。
最初に出会った時に飲んだロンリコは暴走するから禁酒中。

「先生って初めて会った感じしないね」

「よくある顏ですからね。ははっ」

バレてないならこのままが良い。
店での私を思い出されても不利でしかない。
毎回占い中に酔いすぎてテンションが爆上りしてしまい
るる姉のお客さんまで巻き込んでのどんちゃん騒ぎ。

「そうか、まぁ、そうだよね」

簡単な人で感謝!
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