心理カウンセラーと傾国美男(イケメン)と社内公募婚~導きたいのに私が甘く導かれてます~
(これは国すら傾けかねないイケメン…)

「失礼しました。こちらをどうぞ」

“タロット占い せんこ”と書かれた名刺を彼の前に置いた。

千湖(せんこ)=千湖(ちこ)。
占いをする時に使用してる名前。
最初るる姉に付けられた時は「嫌だ」と言ったけど今は少しお気に入り。

「俺の名刺」

アンナグランデリゾート専務取締役…十分知ってます。
だって私が今、現在…派遣されてる会社のトップの人。

「あの…何を占いましょう」

こんな人にどんな悩みがあるのか謎すぎる。

イケメンで…金持ち。
さらさらの黒髪に色素の薄い肌。
深いグレーの瞳それにオプションで綺麗な鼻筋。
薄めの唇なのにグロスを塗ってるかのような発色と潤いのある口元。

(…美人すぎる‼)

神様は男女の造りをお間違えになったのではないでしょうか?
彼はこれ以上何を求めるの?

「あ…国を全部…」
「は?」

ブツブツ呟いた私の声は彼にかき消されてシーンっと部屋が静まり返った。

とにかく早く占って帰そう!
そう考えてもカードをシャッフルする手が震える。

「ちょっとお待ちください!」

こんな空間(イケメンと会社トップ)堪えられない!

こんな時はアレだ!
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