絆の光は未来へ
診察を終え、膣鏡を引き抜く。指もゆっくりと抜く。解放されたあゆかの身体が、ほっとしたように小さく息を吐くのが分かった。

光希はフットボタンを操作し、診察台の足置きを閉じ、カバーを手で閉じた。

あゆかがスカートをゆっくりと下ろし、ランドリーバスケットからショーツを拾い上げて履き直す様子を、彼はただ静かに見守った。

「着替えが終わりましたら、診察室に戻ってください」

光希の声は、診察前と変わらず穏やかだった。しかし、彼の胸の内では、安堵と、そしてあゆかの病状への懸念が、静かに波打っていた。
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