絆の光は未来へ

二人の新たな挑戦

病室の扉を開けると、あゆかはタブレットに向かって真剣な顔で勉強していた。光希の姿に気づくと、パッと顔を上げて満面の笑みを浮かべる。

「光希、どうしたの?もしかして、学校から連絡が?」

あゆみの鋭い直感に、光希は驚きつつも、ゆっくりと頷いた。

「ああ、そうだ。良い知らせだぞ、あゆか」

光希は、あゆかのベッドサイドに座り、彼女の手を握った。

「看護学校から、連絡があった。来春の復学に向けて、前向きに検討してくれるって。俺たちの提案も、かなり受け入れてくれそうだ」

あゆかの目が、希望で大きく見開かれた。その瞳から、大粒の涙がポロポロと溢れ落ちる。

「本当に……?私、また学校に行けるの……?」

「ああ、行ける。もちろん、簡単な道のりじゃない。今まで以上に、辛いことや大変なこともあるだろう。でも、君なら乗り越えられる。俺も、蓮も、病院の担当チームも、そして看護学校も、みんなで君を支えるから」

光希は、優しくあゆかの頭を撫でた。あゆかは、泣きながらも、力強く頷いた。

「うん……私、頑張る。絶対、頑張る……!」

彼女の言葉には、決意と、深い感謝の気持ちが込められていた。

その後、光希とあゆみ、そして看護学校の教務課長と臨床実習担当の教員が揃っての面談が行われた。
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