絆の光は未来へ

医学生の嘲笑と二人の怒り

すると、自分で付けた傷以外に医学生に噛みつかれたであろう、痛々しい咬み傷が赤く滲み、血がうっすらと唇から流れていました。

首にも内出血や軽い咬み傷が数箇所見えた。

その光景に、光希の胸に激しい後悔と怒りが渦巻きました。

転がっていた医学生は、よろよろと体を起こしました。

光希の鬼気迫る形相と、その隣で冷静に、しかし確実に自分を拘束しようとする一ノ瀬の姿を見て、彼は不敵な笑みを浮かべました。

「もう少しで最後まで終わったのになぁ、あゆかちゃん」

自分の名前を呼ばれたあゆかは身体をビクッとさせて悪寒が走った。そして、光希から顔を背けた。

悔しそうに顔を歪ませたかと思うと、その表情はすぐに歪んだ喜びに変わります。

「でも残念だったなぁ〜。こんなに証拠がある」

医学生は、濡れた床とあゆかの体を示すかのように手を広げ、さらに続けます。

「これで、お前らに一生消えない記憶になったな!
俺の愛する人を奪った報いだ。」

その言葉と同時に、内診室に彼の高笑いが響き渡りました。

その瞬間、医学生の全身に、光希と一ノ瀬の鋭い視線が突き刺さりました。
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