絆の光は未来へ

ICUでの夜

ICUの時計の針は、ゆっくりと深夜へと進んでいく。規則的な機械音と、わずかな看護師の足音だけが響く静寂の中、光希はただあゆかの手を握り続けた。

夜勤中の看護師も「しっかり見ていますので。」と声を掛けるも光希の耳には聞こえて居なかった。

熱でわずかに火照る小さな掌から、微かな命の鼓動が伝わってくる。

(もう、二度と離さない。どんなことがあっても、俺があゆかを守る)

光希は、あゆかの手を、自分の両手でそっと包み込んだ。彼女の命の灯火が、この静かなICUで、再び力強く輝き出すことを信じて、彼はその場で一夜を過ごす決意を固めた。

外は、真夜中の闇に包まれていたが、光希の心の中には、あゆかを照らす一筋の光が灯っていた。
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