絆の光は未来へ
あゆかの瞼が、ゆっくりと、しかし確実に開いた。薄明かりの中、その瞳はぼんやりと光希の顔を捉えた。そして、人工呼吸器のチューブに邪魔されながらも、微かに、口元が動いた。
光希は息を止めた。これは夢なのか、それとも現実なのか。あゆかの瞳に、確かに意識の光が宿っているのを感じた。
「……ひ、き……?」
か細い、しかし確かにあゆかの声だった。
「あゆか……! あゆか!」
光希の目から、大粒の涙が溢れ落ちた。喜びと、安堵と、そしてこれまで抱えてきた全ての苦悩が、一気に押し寄せる。
彼は、あゆかの意識が戻ったことを確認すると、迷わず、トーマスチューブホルダーを外し、挿管チューブをそっと押さえながら、あゆかの唇に自分の唇を重ねた。
深く、そして長いキス。それは、二人の間に流れる全ての感情を表現するかのようだった。あゆかの意識はまだ朦朧としていたが、その唇に触れる光希の温もりを、確かに感じ取っているようだった。
キスを終え、光希はあゆかの顔を両手で包み込んだ。
「愛してる、あゆか。本当に、愛してる」
その言葉は、彼の心からの叫びだった。
その言葉が、私の心に、深く、深く染み渡る。
あゆかは、まだ力なく、しかし確かに、光希の左手を、若干動かしたのを光希は感じ取り
あゆかの手を自分の手にそっと重ねた。
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