深夜13時の夜行バス

「何があった、弓削」と塩原が興味深そうに目を細める。
「いやぁ、お盆に奈津美を両親に紹介したらすぐに婚姻届けを出そうと思ってるんですが、悪友たちが結婚したら遊びに行けないとか言い出してキャバクラにちょ~~~っと…」
「なるほどね、キャバクラ遊びがバレたか」私は目を細めた。自分はキャバクラ遊びしてたのに、奈津美の帰りが遅くなっただけで怒るって、そりゃ奈津美も怒るよね。

「夏は解放的になるしなー」と塩原が両腕を頭の後ろで組む。
「まぁお盆休みまであと一か月近くあるんだしさ、その間に何とかしなよ」と私はあくまで他人事。
「何とか……なるかなぁ…」と弓削くんはあくまで気弱。

そんなこんなでいつの間にか話し合いは深夜にまで達していた。

「うっそ!1時!!」
壁掛け時計を見た私が頓狂な声をあげると

「マジか!明日が休みだって思ったら余裕みたいなのがあったんだろうな」
「でも結局いいアイデア浮かんでこなかったスけど」と弓削くんはがっくり。
「まだ四日あるよ、しっかりしなさいよ!」
バシッ!
私は弓削くんの背中を力強く叩いた。
「いった~前川先輩力強いんだから加減してくださいよ」
弓削くんは苦笑いで背中をさすさす。

「1時って流石に深夜バス無いか…」と塩原だけが一人真剣。
「ううん、2時15分が最終だからまだ間に合うけど、今日は流石に疲れたからタクシーで帰る」

私の意見に塩原はまたも止めなかった。
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