青春の軌跡!

11

「お疲れー、香月ちゃん」

廊下に出たところで声をかけられ、逢坂はそちらを向くと、露骨に嫌そうな顔をした。
しかしにこやかな笑顔で手を振りながら近付いて来た笹崎は、そんなこと気にも留めない。

「香月ちゃん、最近面談多いね。進路はもう決まったんじゃなかったっけ?」

「決まってたって面談してもいいでしょ、別に」

「ひょっとして、面談に見せかけて佐々木先生と密会?あちゃー、これは透也が悲しむね」

「なんで伏見が悲しむのよ!!ていうか、とんでもないことを廊下でさらっと言うな!」

笹崎の発言を本気にした誰かが噂を広めたりなんかしたら、佐々木にとんでもない迷惑がかかってしまう。
佐々木にはこれからも新聞部を、後輩二人を見守ってほしいので、そんなことになっては困るのだ。
逢坂は廊下を見回して人がいないことを確認すると、ほっと一息ついてから笹崎を睨み付ける。

「やだなー、そんなに睨まないでよ。ちゃんと人がいないことは確認してあるって」

「だからって言っていいことと悪いことがあるのよ!」

怒れる逢坂を「ところで香月ちゃん」と笹崎は軽く流す。
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