青春の軌跡!
「笹崎先輩は横顔もいいな……でもやっぱり正面もいいんだよな……斜めからのアングルも捨て難いけど」

「うちの部長だって全方位で素敵ですけどね」

「ていうか外崎、ちょっとピントが合ってないやつ多くない?」

「ちゃんと合ってるじゃない、部長に」

「会長には合ってない!!」

完全に出て行くタイミングを見失ってしまった石田だが、ここまでの会話で相手についてわかったことがある。それは、外崎と同じ一年生であるということだ。
なにせ外崎は、話す時に敬語を使っていない。

そしてもう一つ、外崎が逢坂に心酔しているのと同じように、相手は生徒会長笹崎に心酔しているということ。
つまりこれは、新聞部部長逢坂オタクと、生徒会長笹崎オタクの集いだったのだ。

「うるっさいな……ほらこれ、ピント合ってるやつ」

「え、やば……笑ってる」

「さっきから全部笑ってるじゃない。なにを今更」

「いやいや、全部違う笑顔だから。一緒じゃないから」

笹崎の笑顔について熱く語る相手に、外崎の相槌は明らかに興味のなさを含んでいる。
しばらくして満足したのか、それともあまりに外崎が興味を示さないから諦めたのか、笹崎についての熱い語りが終わった。
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