魔法使いユメと小さなドールフレンズ!
 目の前には、プリンの花。となりに、くきと葉っぱもあります。
 言われたとおり、ユメはムーンステッキをエイッ。

(これでいいのかな?)

 けれど、なにもおこりません。

「もっと軽やかに。こうするのじゃ」

 魔女のおばあさんがつえをふると、シャラララーー。
 かじりかけのレモンが満月(まんげつ)のように丸く、食べ終わったはずのいちぢくのタルトが元どおりに。

「……すごい!」

 みんなは思わず前のめりになります。

(私の魔法とはレベルがちがう!)

 魔女のおばあさんは、もう一度つえをシャラララ。レモンのわ切りを、チョウチョへ変えてしまいました。

「コトダマは未知(みち)なる魔法。何度も口に出して、できると自分を信じて進む。そして、強くねがいながら【まじない】をとなえるのじゃ」

 やさしい声です。ユメは、大好きだったおばあちゃんを思い出しました。

(また会いたいなぁ)

 たくさん魔法の練習をしたら、会えるかもしれない。ユメは、心の中でつぶやきます。

「しっかりおぼえておきます。おばあさん、お元気で」

 シャオがジャンプして、大きく手をふりました。ひかえめにマリンも頭を下げます。
 また来る約束をして、ユメたちはおかしの家を出ました。
< 13 / 31 >

この作品をシェア

pagetop