日本—ヤマト—の女帝
そうして道真は帰っていった。
「広女、いるんでしょう?」
「流石です。必要はないかと思われますが一応。私一切何も聞いておりません故ご安心を」
「わかってるわよ、それくらい」
冗談混じりの雑談をできるくらい、広女に心を許しているのだな、今更ながらに気づいたのだ。
「文を書きたいの。準備してくれる?」
「かしこまりました」
そうして父に明日、伺う旨の文を書いたのだった。
雪はもう、止んでいた。