日本—ヤマト—の女帝
第四章—暴君の十八—



現天皇
——つまり俺の父が危篤だそう。

やっとくたばりかけているのか。アイツが死ねば俺が天皇だ。


小さい時から気に食わんかった。

まるで他人であるかのような父と母の仲が、自分に自分自身の出世のために近づいてくる大人たちが。

母親も俺の異母兄である弟も死に、誰からも愛されないくせに世の中のことを全てを見透かしたような目。俺の前では自分を下に下げるフリをし、内心では俺を馬鹿にしている異母姉が。


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