すべての花へそして君へ①

 あなたと会って、もう一年が経ちました。
 たくさんありました。つらいことも楽しいことも。でも、何よりもあなたに、知っておいてもらいたいことがあるんです。


「家からあなた方の名前を聞いてはいなかったわたしは、あなたの『願い』の時、本当に友達として助けたいって、そう思っていたんです」

「……え」

「トーマさん? 『願い』を叶えていた時、あなた方がわたしの罪だったことは、知らなかったんです」


 ふっと、腕を緩めた彼は、目を丸くして見下ろしてきた。そんなトーマさんに、小さく笑いかける。


「あなたに気が付けてよかったって、本当に心から思ってます。……あなたとこうして出会うことができて、わたしは今、とっても幸せですよ」

「……葵ちゃん」

「だからもう、ごめんは無しです。それから。……わたしのこと、好きになってくれて、ありがとうございます、トーマさんっ」

「っ、あおいちゃんっ!!!!」


 また強く抱き締められたけれど、彼の口からはもう、ごめんとは零れてこなかった。
 たくさんのたくさんの『ありがとう』に。わたしも彼と同じ言葉を、何度も何度も返してあげた。


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