すべての花へそして君へ①
ヒナタくんのお悩み相談室~
それから、取り敢えずシントの誤解を解くことに。
シントは、日記以外の段ボールには手をつけていないこと。だから、シントは泥棒でもなければ、匂いを嗅いですらいないのだ。
『それにシント、今更わたしの下着とか見てもなんとも思わないと思うよ?』
執事さんとして側にいてくれた頃は、服の用意だって普通にしてくれてたし。そもそも、シントの前で下着姿になることだってなかったわけじゃないし。
『……面白くない』
そう言ったら完全に拗ねちゃったけどね、彼。宥めようとしたけれど、『いや、大丈夫。わかってるから』と、そうは言いつつお口は尖らせていらっしゃいました。
『そりゃ、それはしょうがないけどさ。……わかってるよ。納得してる。でも、しょうがないじゃん。流石に今はもう、そこまでオレ善人じゃいられないよ。妬くって、普通に』
そうやって、素直に言ってくれるのはとっても嬉しいんですけど。……素直は素直で心臓さんが痛いです。拗ねたかわいいお顔さんも、わたしの心臓に何本もの矢をプスプスと刺していくんですけども。
いや。いいんです。わたしの目標は、ヒナタくんにいっぱい好きって言ってもらうことなので。
わたしの心臓さんがどうなろうともっ! 言わせてみせましょうとも! きゅん死に大歓迎だコラー。
それから、ちょっといろいろ相談事があったわたしは、ヒナタくんに話を聞いてもらうことにしました。
「ていうかさ、下着の入った段ボールそのままなんでしょ? あおいは知らないかも知れないけど、シントさん相当の匂いフェチだよ。ちゃんと段ボールの蓋閉めてきた? 今頃その段ボールに頭突っ込んでるかも知れないよ?」
「ちょっと待とうヒナタくん。だいぶシントの扱いが酷くないかい??」
「え。こんなもんじゃない? シントさん」
扱いとしては間違っちゃいないけど、流石にそこまでいくと元主人としてはちょっと……想像しただけで寒気が。