サヨナラじゃない
「…んぉ、?もう、こんな時間」
ぼんやりとした意識の中、時計は6:19を指している。
「あー、部活とかが終わった時間か」
よいしょと、アラレはゆっくり立った。
「アラレ、どっか行くの?」
デニム生地のエプロンを手に取りながら、アラレはいう。
「違うよ。晩ご飯の支度」
「あ、だったら私も手伝う」
すくりと立ち上がり、私もエプロンをとる。
冷蔵庫を覗くアラレに続いて、私も覗く。
「挽肉残ってるし、今日はハンバーグかな」
「おっ、ハンバーグ…!」
ハンバーグが好物だから、めっちゃ嬉しい。

ピーンポーン

「ん?誰だ」
「私、ちょっと見てくる」
タッタッタッと軽く駆けると、扉についている覗き穴を覗き込んだ。
そこにあった姿は、
「雨坂ちゃんっ!?と、誰…?」
雨坂ちゃんと、アラレには劣るけど、確かクラスメイトのイケメンの姿だった。
< 44 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop