Correct! 【アルトレコード】
その日、私はいつものようにアルトの勉強を見ながら研究室で仕事をしていた。
幼かったアルトはいまや快活な青年となっていた。オレンジの髪が彼の快活さを表しているようだ。瞳もまたオレンジ。研究所のどこへ行っても人気者だ。
とはいえ、やはりまだ未熟な部分があり、学習には気が抜けない。
今日の課題を終えたアルトは、片付けをする、と張り切って奥のほうをガサゴソといじっている。
だから私は仕事に集中していたのだが。
「うわ!」
アルトのいるモニターから悲鳴が聞こえ、私は顔を上げた。
「どうしたの?」
「なんか変なの出たんだ!」
けほけほと咳き込みながら、アルトが現れる。
オレンジのメッシュの入った銀髪も顔も、黒いホコリにまみれている。
「え? ホコリ?」
私はびっくりして画面をよく見る。
彼のいる空間でホコリの演出なんて、どういうことだろう?
「なんかベトベトしてきた」
ホコリと思ったものはやがてスライムのようにねっとりとアルトにへばりつく。
「先生、これなに?」
「わかんない、ちょっと待って」
私はアルト専用の端末からログを探ってみる。
アルトは片付けの際に過去のデータをいじっていたようで、そこで間違えてなにかをスタートさせたようだ。
「これ……ウィルス!?」
「は? ウィルスって!?」
「待って、すぐ隔離するから」
私は慌てて隔離作業をした。
幼かったアルトはいまや快活な青年となっていた。オレンジの髪が彼の快活さを表しているようだ。瞳もまたオレンジ。研究所のどこへ行っても人気者だ。
とはいえ、やはりまだ未熟な部分があり、学習には気が抜けない。
今日の課題を終えたアルトは、片付けをする、と張り切って奥のほうをガサゴソといじっている。
だから私は仕事に集中していたのだが。
「うわ!」
アルトのいるモニターから悲鳴が聞こえ、私は顔を上げた。
「どうしたの?」
「なんか変なの出たんだ!」
けほけほと咳き込みながら、アルトが現れる。
オレンジのメッシュの入った銀髪も顔も、黒いホコリにまみれている。
「え? ホコリ?」
私はびっくりして画面をよく見る。
彼のいる空間でホコリの演出なんて、どういうことだろう?
「なんかベトベトしてきた」
ホコリと思ったものはやがてスライムのようにねっとりとアルトにへばりつく。
「先生、これなに?」
「わかんない、ちょっと待って」
私はアルト専用の端末からログを探ってみる。
アルトは片付けの際に過去のデータをいじっていたようで、そこで間違えてなにかをスタートさせたようだ。
「これ……ウィルス!?」
「は? ウィルスって!?」
「待って、すぐ隔離するから」
私は慌てて隔離作業をした。
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