Correct! 【アルトレコード】
「フラッシュ暗算?」
「北斗さんの特技なんだって。次々と現れる数字を暗算で足していくの」

「あ、じゃあ解答欄に合計を入力すれば……!」
「そうじゃないかな。見てないから確かなことは言えないけど」

「きっとそうです! ありがとうございます!」
「いいえー。早く直せるといいねー」
「ありがとう、秤さん」
 アルトもお礼を言うと、秤さんが笑顔になった。

「アルトくんはみんなの癒やしだからねー。お役に立てたなら嬉しいよ」
「すっごく役に立ったよ! ありがとな! 先生、後は頼んだ!」
「うん、頑張るね」

「ふふっ。先生、頼られてるね」
 からかうような秤さんの言葉に、私は苦笑する。
 いつまでも頼りない先生で、アルトに励まされてばかりでなんだか申し訳ないのだけど。

 ううん、そんなこと言ってられない。
 北斗さんは出張だし、今のアルトには私しかいないんだから。



 食事の後はまた、作業にとりかかる。
 秤さんの言葉で、もう解決したような気になっていたが、甘かった。
 流れる数字をメモして、計算して、カウントダウンが終わるまでに計算すればいいだけなのに。

 でも、それが厳しかった。
 とうてい、まにあわない。
 前回もそうだったが、まずメモが間に合わない。計算が間に合わない。記入が間に合わない。
 なにもできずに終わる。
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