Correct! 【アルトレコード】
「はい。北斗さんに試されてる気もします」
 本当、北斗さんはどうしたあんな物を放置してたんだろう。忘れてたっぽいけど。
 なんで研究所なんかでウィルス作るかな。それも当時の研究の一貫だったのかな? 自分の力を試したかったみたいなこと言ってたけど。

「試されるって、どんな?」
「それは……」
 私は言い淀んだ。言っていいものかどうか。

「北斗がウィルスを仕込んでたんだ。実害はないっていうけど、気持ち悪くて」
 あっさりとアルトがバラして、私は慌てた。

「ちょ、なんてこと言うの!」
「ふうん。それで、ワクチンソフトを作れるか試されたわけ?」
「そんな感じです。でも、トラップに引っかかってしまって」
 私は白状した。アルトにバラされたなら、もう内緒にしても仕方ない。

「どんなトラップ?」
「数字がどんどん出てきて、最後に正解を求められるんです。暗号だと思うんですけど、規則性もないし、ぜんぜん解けなくて」
「ああ、あれ、数字が出てたんだ」
 アルトは初めて知ったようだ。やっぱり彼にはあれが見えてなかったらしい。

「数字がどんどん出てくるのか……」
 秤さんは食事の手を止めて、自分の端末を取り出した。ぱぱっと操作してから私に見せる。
「それって、こんな感じ?」
 見ると、端末には3桁の数字が現れては消えていく。

「そうです、そんな感じです!」
「だったら暗号じゃなくてフラッシュ暗算だね。たぶんだけど」
< 14 / 23 >

この作品をシェア

pagetop