Correct! 【アルトレコード】
「プログラミングの腕がいい人はウィルスを作れるって聞いたことがあってね。やってみたくなったんだ。若気のいたり。大丈夫、ちょっと気持ち悪くて増えていくだけで、大した悪さはしないよ」
「悪さはしなくても気持ち悪いよ!」
「こめんごめん」
 アルトの抗議に、北斗さんは苦笑する。

「じゃあ、これの退治方法もありますよね?」
「簡単だよ。君ならできると思うからやってごらん」

「え?」
 思いがけない話の展開に、私は目を丸くした。
「じゃ、アルトをよろしくね」
 言うだけ言って、北斗さんは帰っていく。

「え、ちょ、まっ!」
 反論はおろか、呼び止める間もなかった。
 ぷしゅー、と閉まる扉を見送り、私はアルトのいる画面を振り返る。

「先生〜」
 すがるような声に、私はアルトを見た。
「これ、なんか増えてる気がするよ」
 私の見た目にはわからないが、確かに北斗さんは増えると言っていた。最終的にどこまで増えるのだろう。

「待っててね、アルト。必ず助けるから。その間、映画でも見てて」
「うん、わかった」
 アルトは大人しく画面に戻り、好きな映画を見始める。

 私はワクチンソフトを作るためにウィルスの分析を始める。
 なんだか北斗さんに試されている気がしてならない。
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