すべての花へそして君へ②
スーパーボールとお面
「……およ?」
そこにいたのは、なにやら真剣の目つきの人たちと、わんわんと泣き喚いている子どもたち。親の姿が見当たらないあたり、恐らく近所に住む子だろう。……一体何があったんだ?
「……? ああ。朝日向さん」
「カオルくん、どうかしたの?」
アキラくんと別れたわたしは、一つのテントの前に。彼にそう声をかけたときに、「もう一回!」と、半ばやけくそな声が響いた。
「いえ。その子どもたちが頑張ってやってもスーパーボールが取れなかったみたいで」
「それを見かねたアイさんと二宮さんが今チャレンジ中なんです」……って教えてもらっている最中に、アイくんとアカネくんは何回ポイを願っただろうか。
(にしてもやけに……)
カオルくんにふむふむと相槌を打ちつつ。その妙なポイに視線が持って行かれる。……あ、また破れた。
「おじさんおじさん」
「なんだい嬢ちゃん。いちゃもんつけようってのかい」
先にそう言ってくる時点で怪しさ倍増だけど。まあ、それは一先ず置いておいて。
「ポイってさ、完全に破れちゃったら終わり?」
「そうさな~。さすがに完全に破れちゃあ」
「だったらさ! ちょっとでも残ってたらOK?」
「……まあ、残ってたらの話だけどな」
「そんでもって! 掬えたらの話だけどな!」ガハハと大きな笑い声に、ここにいる全員の闘志に火が点いたのは言うまでもない。……けどここは。
「それじゃあわたし! 一回やってみる~」
この、桜のあっちゃんに任せなさいなっ。
いざ! 尋常に勝負!