すべての花へそして君へ②

 でも、よく考えたらひーくんがあんな風になる原因なんて、わかりきったことだった。……いや、にしてもあのあーちゃんは刺激が強かった。ああやってさっきは言ったものの、思い出しただけで、画面の中の熱がおれのほっぺたに移って来ちゃいそうだもん。


「……一体何の話ししてたらあんな顔になんだよ……っ」

「そんなのキサとユズに聞いてよ。オレが知りたいんだけど」


 そんなの、ひーくんのこと以外に何があるの。あったらおれが知りたいよ。
 おれとちーちゃんが聞いてるのは! 一体何を! あーちゃんに! したのか! ……ってことだよ。主に誕生日に。


「は? ……え。聞きたいの?」

「「イイエ。全ク」」


 今、まだそれ聞いたら、おれら多分HPゼロになって瀕死の状態になるから。やめて。


「……別に、言っても」

「おれらがよくないんだよ……!?」

「それくらいわかれ――」

「いや、二人が思ってるようなことは何もなかったから」

「は?」

「……え?」


 どういうこと? とちーちゃんと二人して首を傾げていると、「ま、手前まではしたけど」と続けて爆弾投下。


「あっ、……上げてから落とすのやめろよ!!」

「は? なんのこと? チカは一体何を想像したんですかー」

「なっ!? そ、それはだな……って! そんなことはどうでもよくて!!」


 その爆弾にちーちゃんは激しく動揺を隠し切れていない様子。


「ん? オウリ……?」

「ど、どうした? 体震えて」

「なんで」

「「え?」」


 けどおれは、その爆弾が落ちたと同時に、こめかみの血管が切れたような音が聞こえたんだ。
 震えもする。だって今、相当怒ってるから。


「何してんのさ、ひーくん」

「…………」


 向かい合うおれらのピリピリとした空気に、ギョッとしたちーちゃんが視界の端に入り込んでも、やめることはしない。
 ……ねえひーくん。今、なんて言ったの。


「どうした」

「あっ。ユッキー! いいところにい……!」


 ワタワタと慌てた彼は、お冷を注ぎに来てくれたれんれんへ助けを求めている。でも、やっぱりおれらは見向きもしなかった。


「ねえひーくん。おれが言いたいこと、わかってるんでしょ?」

「……なに? さっさと奪えばよかったって?」

「なあっ!?」

「い、いや待て氷川。それはそれでオレらへのダメージが……」


 そうだったとしても、それを承知の上で、旅行の話を聞いても誰も何も言わなかったんでしょ。止めなかったんでしょ。 それなのに……。


「なんで何もしてないのっ!」

「い、いやオウリ……? さっき、手前まではしたってヒナタが」

「て、手前!? どういうことだ九条!」

「どういうことって……」


 ――ねえ、ひーくん。


「……ほんと、“どうしたの”」


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