すべての花へそして君へ②

「それはそうと鷹人くん、どうして私に敬語を使うんですか？　前々から思ってましたけど」

「以前、僕の尊敬する父が言っていました。『敬うべき相手には、それ相応の態度を示しなさい』と。だからそうしているまでです」

「………………」

「……父さん？」

「もっ、もう一回言ってください！　これに向かって……！」

「……じゃあ」

「（ドキドキ……）」

「いい加減“くん”付けやめろ糞親父」

「……!!　これはこれで貴重なので家宝にしますね！」

「しっ、……しないでください」

「あ。ちなみに私が君にも敬語を使っているのはどうしてか、わかりますか？」

「……？　考えたことありませんでした。てっきり癖なのかと」

「理由は、君が僕の自慢の息子で、尊ぶべき一人の人間だと思っているからです」

「………………」

「たくさんたくさん、今までよく頑張ってくれました。これから二人で、また一から頑張りましょう。不甲斐ない父を、支えてやってくださいね」

「……もちろん、です」