すべての花へそして君へ③
なんとか必死に応え、そしてついて行って。ようやく彼の本気とやらに、ほんのちょびっと慣れた頃。
ふと、気付いた。今さっきヒナタくん、一日かけてって言った? 言ったよね多分。
「いや、ヒナタくんそれは不味いわ」
「手退けて、ブラ外せない」
「一日かけてたら一日が終わるじゃん!」
「は? 当たり前でしょバカ」
「今日はいろいろやることがあるんだよ」
「それはまた今度でいい」
「ダメだよ。初詣は新年の始まりの日に行かなきゃ」
「……だったらさっさと行ってさっさと帰ってくれば」
「あとわたしの仕事についても、もう今日一気に済ませちゃおうかと思って。その連絡を朝方仕事場に入れたので」
「キャンセル」
「できればいいんだけど、多分無理そう……というか、機嫌悪くなるからできれば避けたいなあと」
「はああああ」
ど、どえらい長いため息デスネ。
「オレの機嫌はどーでもいいんだ」
拗ねさせちゃった。続けて、ふうと小さく息を吐いた彼は、戦闘態勢を解いてごろんと隣へ横になる。
「ほら。やっぱり馬鹿を見るのはオレの方」
「そんなことないよ」
「いいんだよ別に。前も言ったと思うけど、オレは別に、あんたの体目的で好きになったわけじゃないんだし」
「ヒナタくんがよくても、わたしはもう無理なんだけど」
「ならする? 続き」
「それは……」
「ほら。たまにはオレの気持ち味わってみたら? そしたらちょっとは反省するかもよ」
「…………」
ヒナタくんはどこか楽しそうに笑いながら、むすっと黙ったわたしのほっぺたをむにっと摘まむ。結局は、理性が戻ってくるんだから。
「……怒った?」
「怒ってはないけど」
「ないけど?」
「……今晩も、泊まっていい?」
「…………」
「充電させて欲しい。いっぱい。余るくらい。ヒナタくんのこと」
でも、再びため息を落としたヒナタくんの回答はバツ。今日は大人しく、お家に帰りなさいと言われました。
「オレが泊まりに行く」
「え?」
「確かに、正直何差し置いてでも充電しておきたいとこだけど」
「先に報告、だね」
「あと、新年の挨拶も」
「それじゃあわたしも!」