私の中にあるモノ
何だろう。
この感じ…凄く、嫌だ。
近江さんの姿を見ていると、胸が締め付けられるような…。
…いや、そんなことはどうでも良い。
何としても、彼女を病棟フロアに連れていかなければ…。
「近江さん…。一緒に、病棟フロアに…」
私は、彼女に手を伸ばそうとしたが。
…そんな私を片手で制したのは、此代だった。
「此代…?」
「…」
彼は無言で、ふるふる、と首を横に振った。
どうして…?近江さんの様子がおかしいのは、誰の目にも明らかなのに。
「はぁ…。はぁ…」
近江さんは息を荒くしながら、廊下の壁に手をつき。
それでも誰に手も借りず、一歩一歩確かめるようにしながら、自分の足で歩いていった。
…此代に制止された私は、それ以上近江さんを追いかけることは出来なかった。
黙って、彼女が立ち去るのを見送るしかなかった。
…よろよろと歩き去る近江さんの背中が、見えなくなってから。
「…此代」
「…何?」
「…どうして止めたの?彼女は…」
明らかに、どう見ても具合が悪かったのに。
あんなに憔悴して…疲れ切って…。苦しそうな発作に襲われて。
それなのに、何もせずに黙って見ているだけなんて…。
だけど、私以上に。
此代の顔は、固く、険しかった。
「…おみっちゃんには…もう…時間がないから」
「えっ…?」
「…ごめん、何でもない」
「…」
…何でもない、って言われても。
絶対、何でもないことないでしょう。
だけど、此代の表情は暗かった。
これ以上聞かないでくれ、と言外に伝えていることが分かって。
仕方なく、私も口を噤むしかなかった。
彼女が…近江さんが抱えている「モノ」が何なのか。
その正体を知るのは、2日後のことになる。
この感じ…凄く、嫌だ。
近江さんの姿を見ていると、胸が締め付けられるような…。
…いや、そんなことはどうでも良い。
何としても、彼女を病棟フロアに連れていかなければ…。
「近江さん…。一緒に、病棟フロアに…」
私は、彼女に手を伸ばそうとしたが。
…そんな私を片手で制したのは、此代だった。
「此代…?」
「…」
彼は無言で、ふるふる、と首を横に振った。
どうして…?近江さんの様子がおかしいのは、誰の目にも明らかなのに。
「はぁ…。はぁ…」
近江さんは息を荒くしながら、廊下の壁に手をつき。
それでも誰に手も借りず、一歩一歩確かめるようにしながら、自分の足で歩いていった。
…此代に制止された私は、それ以上近江さんを追いかけることは出来なかった。
黙って、彼女が立ち去るのを見送るしかなかった。
…よろよろと歩き去る近江さんの背中が、見えなくなってから。
「…此代」
「…何?」
「…どうして止めたの?彼女は…」
明らかに、どう見ても具合が悪かったのに。
あんなに憔悴して…疲れ切って…。苦しそうな発作に襲われて。
それなのに、何もせずに黙って見ているだけなんて…。
だけど、私以上に。
此代の顔は、固く、険しかった。
「…おみっちゃんには…もう…時間がないから」
「えっ…?」
「…ごめん、何でもない」
「…」
…何でもない、って言われても。
絶対、何でもないことないでしょう。
だけど、此代の表情は暗かった。
これ以上聞かないでくれ、と言外に伝えていることが分かって。
仕方なく、私も口を噤むしかなかった。
彼女が…近江さんが抱えている「モノ」が何なのか。
その正体を知るのは、2日後のことになる。