私の中にあるモノ
sideムリカ
ーーーーー…此代に見送られ。
私は、6階に辿り着いた。
5回目の記憶喪失以降、この場所に来るのは初めてのはずなのに。
私は、この場所を知っていた。
6歳の時…仲間達とこっそり訪れた、あの場所だった。
あの時と違うのは、今は生体認証ロックがかかっているという点だ。
…その為に、山口の腕を切り落として持ってきた。
その腕を使って、私はロックを解除した。
ドアノブを掴んで回すと、簡単に扉が開いた。
…間いた。
呆気なかったね。
私は、使い終わった紙切れを捨てるように、山口の腕を床に放置した。
もう必要ない。
私は一人、その部屋に入った。
私の記憶の中にある光景と、何も変わらなかった。
相変わらず…あの時のまま。
部屋の中央に、ガラスケースが置いてあった。
そして、そのガラスケースの中には…。
…今も、どくどくと脈を打つ…祖竜の心臓が安置されていた。
「…久し振りだね」
君に会うのは、9年ぶりだ。
6歳の頃、この場所で、最初に君と対面した時。
私の中の竜の血が、この『竜の心臓』と共鳴した。
そのせいで私は記憶を失い、それ以降もシンクロ率が上がる度に、私は5回も記憶を失ってきた。
でも、もう失わない。
こうして…すべてを思い出したのだから。
「約束通り…来たよ」
私は、9年前のあの日と同じように。
そっと、ガラスケースに手を触れた。
その瞬間。
「…っ…!」
全てが、伝わってきた。
祖竜の悲しみ、嘆き、憐れみ…その全てが。
私はそれらの深い感情を、一身に受け止めた。
…そう、そうなんだ。
…辛かったね。
一人ぼっちで…ここに、何年も何年も…閉じ込められて。
もう終わらせて欲しい、って…ずっと、そう願い続けてきた。
だけどその願いは、誰にも届かなくて。
その願いを初めて…届けることが出来たのが、私だった。
「…すまない」
祖竜は、深い悲しみの中で私に謝った。
「…ううん、良いんだよ」
此代が言ってた。
何が正しいのか分からないなら、自分が正しいと思ったことをするのが、正しいことなんだって。
私もそうだと思うよ。
だから…。良いの、これで。
祖竜は、自分の『竜の心臓』を、研究の為に使われていることを嘆いていた。
傷つけたくない。自分の血のせいで、誰かの命を奪いたくない。
こんなことの為に、『竜の心臓』を残したのではない、と…。
「俺のしたことは…間違いだったんだ…」
「…」
「俺のせいで…お前達人間を苦しめる結果になってしまった…」
「…違うよ」
私は、祖竜の呟きに首を振った。
私が断言してあげる。
君は、何も間違ってない。
私は、6階に辿り着いた。
5回目の記憶喪失以降、この場所に来るのは初めてのはずなのに。
私は、この場所を知っていた。
6歳の時…仲間達とこっそり訪れた、あの場所だった。
あの時と違うのは、今は生体認証ロックがかかっているという点だ。
…その為に、山口の腕を切り落として持ってきた。
その腕を使って、私はロックを解除した。
ドアノブを掴んで回すと、簡単に扉が開いた。
…間いた。
呆気なかったね。
私は、使い終わった紙切れを捨てるように、山口の腕を床に放置した。
もう必要ない。
私は一人、その部屋に入った。
私の記憶の中にある光景と、何も変わらなかった。
相変わらず…あの時のまま。
部屋の中央に、ガラスケースが置いてあった。
そして、そのガラスケースの中には…。
…今も、どくどくと脈を打つ…祖竜の心臓が安置されていた。
「…久し振りだね」
君に会うのは、9年ぶりだ。
6歳の頃、この場所で、最初に君と対面した時。
私の中の竜の血が、この『竜の心臓』と共鳴した。
そのせいで私は記憶を失い、それ以降もシンクロ率が上がる度に、私は5回も記憶を失ってきた。
でも、もう失わない。
こうして…すべてを思い出したのだから。
「約束通り…来たよ」
私は、9年前のあの日と同じように。
そっと、ガラスケースに手を触れた。
その瞬間。
「…っ…!」
全てが、伝わってきた。
祖竜の悲しみ、嘆き、憐れみ…その全てが。
私はそれらの深い感情を、一身に受け止めた。
…そう、そうなんだ。
…辛かったね。
一人ぼっちで…ここに、何年も何年も…閉じ込められて。
もう終わらせて欲しい、って…ずっと、そう願い続けてきた。
だけどその願いは、誰にも届かなくて。
その願いを初めて…届けることが出来たのが、私だった。
「…すまない」
祖竜は、深い悲しみの中で私に謝った。
「…ううん、良いんだよ」
此代が言ってた。
何が正しいのか分からないなら、自分が正しいと思ったことをするのが、正しいことなんだって。
私もそうだと思うよ。
だから…。良いの、これで。
祖竜は、自分の『竜の心臓』を、研究の為に使われていることを嘆いていた。
傷つけたくない。自分の血のせいで、誰かの命を奪いたくない。
こんなことの為に、『竜の心臓』を残したのではない、と…。
「俺のしたことは…間違いだったんだ…」
「…」
「俺のせいで…お前達人間を苦しめる結果になってしまった…」
「…違うよ」
私は、祖竜の呟きに首を振った。
私が断言してあげる。
君は、何も間違ってない。