私の中にあるモノ
だって、彼もまた。

自分が、正しいと思ったことをしたのだから。

すべては正しさの結果なのだから、決して間違いではないのだ。

どんな形でも。

「人間は、まだ…弱くて、未熟な存在だから…」

あなたの意志に気づけなかっただけ。

あなたが残した『竜の心臓』を、上手に使えなかっただけ。

小さな子供が、使い方の分からない玩具を壊してしまうのと同じ。

でも、大丈夫。

子供はいつか大人になる。

辛いことも悲しいことも、嬉しいことも楽しいことも、たくさんたくさん経験して。

そして、いつか立派な大人になる。

その時はきっと、今度こそ…間違えないはずだ。

「だから…お願い、自分のしたことが過ちだったなんて…そんな風に思わないで」

人間の可能性、人間の将来性を、諦めないで。

彼らはきっと、いつか…気づくはずだから。

あなた達竜族が期待して、希望を持って世界を託した、人間という存在は。

いつかきっと、あなた達と同じ場所に辿り着く。

その時初めて、竜も、人も、竜人も関係なく。

この世界に住む一人の存在として、互いに解かり合えることだろう。

…だから私達は、その日を待てば良いの。

気長にね。

だけど今は、まだ、残念ながらそれは出来そうにないから。

その時が来るまで…。

「…一緒に眠ろう」

一緒に居てあげるから。

一人ぼっちにしないから。

いつか、私達の望む日が来るまで…。
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