愛しのマイガール

事務的で、容赦のない口調。そこに余計な感情は一切なくて、むしろそのことがありがたかった。

感情を挟まれないからこそ、落ち着いていられる。少なくとも今は、「大丈夫ですか?」と聞かれるよりも、よっぽど平静でいられた。

──それでも。

やっぱり、頭の奥ではずっと思ってしまう。

ハルちゃんが、ここにいてくれたら。

横に座って、いつものように見守ってくれれば、それだけで安心できるのに。たとえ何も言わなくても、その存在がそばにあるだけで落ち着けるのに。

“守ってほしい”なんて思ってはいけない。
“ひとりでもできるようになりたい”って思ってる。そう、思ってるのに。

私は一度、こっそりと深呼吸をして、心のざわつきを押し込めた。

そのとき、天城さんの低い声がふいに響く。

「これは開示請求に対する再回答案になります。草案は提出済みですが、本人確認に関する部分だけ、本人の意見がほしいので」

「……私の?」

「はい。ご自身のSNSアカウントと関係性が強く、投稿の真偽について問われる可能性があります。回答文に含めるご自身の意見、たとえば“投稿の意図”などがあれば、簡潔に」

「……考えてみます」

「今日中で構いません」

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