キミに伝えたいことは。

転校生

今日は、クラスが騒がしかった。私はいつも読書をしている。こちらとしては迷惑。聞きたくもないのに、近くにいる人の声が大きすぎて、聞こえてしまった。
｢ねえ、今日転校生来るらしいよ！｣
｢まじ？たのしみ！｣
……なるほど、転校生が来るのか。普通は友達になろうと思うのかな。でも私、作らないし。
｢なあ、転校生女子が男子どっちがいい？｣
｢おれは男子！友達増えるかもやん！｣
………………
｢私は女子がいい〜！｣
｢だよな。俺もやっぱ女子来て欲しい！｣
｢お前きっも笑｣
｢うるせー。｣
………………はぁ。
どいつもこいつもうるさい。少しは静かにして欲しい。
大体、本当かどうか分からないじゃないか。
─キーンコーンカーンコーン

そう思ったとき、私を助けるようにチャイムがなった。
扉の開く音がした。担任の熊田先生が入って来た。
｢はーい、席つけー。｣
周りを見渡すと、ほとんどの人の目が輝いているような気がした。
｢みんな知っているかもしれないが、転校生が来た。入っていいぞー。｣

─ガラガラッ。
入ってきたのは薄めのピンク色の髪色をした女の子だった。瞳は黄色っぽくて、容姿は綺麗だった。
私はそんな彼女の容姿に私は見覚えがあった。
心に引っかかるような感じがした。
｢よし。じゃあ、自己紹介しろー｣


｢花園 凛乃です。これからよろしくお願いします。｣


はなぞの…りの。

彼女の凛とした振る舞い、繊細な少し高い声、触れたら弾けてしまいそうな顔。

そんな彼女の声を聴いた瞬間、心に引っかかっていた物が解けていくような気がした。


…………腑に落ちた。

あぁ。昔から変わってないね。花園さん…いや、『りのちゃん。』