宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
「ああ……もう……ダメ……!」

綾子が震えながら、快楽の頂きに達したその瞬間、帝もまた深く突き入り、熱を放った。

中で、深く、確かに――

「っ……!」

その一瞬、まるで二人で桃源郷を彷徨ったかのような錯覚に陥る。

すべてが満ち足りていて、言葉さえ必要なかった。

「ああ……子種が……溢れる……」

綾子が身を震わせながら、帝の胸にしがみつく。

その中から静かに溢れ出る温もりに、彰親は不思議なほどの満足を覚えていた。

たとえ何も得られずとも――

この女が腕の中にいる。それだけで、朕は満たされている。

そんな幸福が、静かに、深く、帝の心を包み込んでいた。

「幸せ……」

綾子は帝・彰親の腕の中で、目を細めるように呟いた。

汗ばんだ肌と肌が重なり、まだ互いの温もりを感じている。

その一言に、帝はそっと綾子の髪を撫でながら、優しく微笑んだ。

「……朕もだ」

短く返した言葉には、言い尽くせぬ想いが込められていた。

欲でも義務でもない。

ただ心から、この女を愛している。

その実感が、今、何よりも確かな幸福となって、二人を包んでいた。
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