金の龍皇子は銀龍の娘を花嫁に乞う
「村は、大丈夫なのでしょうか。結界もなくなって……」
「名を改めた村にあのまま住む者はいないだろう。徐々に人は減り、閉鎖的な村はいつかなくなる。お前の育った村を滅ぼすようで悪いが、将来の者のために必要だ。みな広い世界を見た方が良い。ただの人間であるのに龍に囚われるなど、不幸しか呼ばん」

「寛大なるご配慮、お礼申し上げます」
 眞白は深々と頭を下げ、虹夜は苦笑した。

「我らは夫婦となるのだ。堅苦しいのはやめてくれ」
「ですが……」
 眞白の言葉に、虹夜は再度の苦笑をこぼす。

「このじれったさはツガイを見つけたゆえか……そう思えばなにやら楽しゅうなってくるな」
「虹夜様……」

「わかるか? 俺のために舞ったと言われたとき、どんなに嬉しかったか……いや、わかる。お前にはわかるまいということがわかる」
 虹夜の言葉に、眞白は泣きそうな笑顔を浮かべた。

「離れてくれるなよ。俺にはお前しかいないのだ」
「……はい」
 眞白の返事に、虹夜は嬉しそうに目を細めた。

 ふたりを乗せた馬車は都を目指し、青い空に高く高く駆け上がって行った。







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