紳士な弁護士と偽りデートから
最上級の個室レストランに案内されて、あかりはドキドキした。
「こんなところあるんですね」
「うん」
咲哉はカードキーをドアに当てた。
カードキーでないと入れないレストランって、どんなところなのだろう? あかりはドキドキしてばかりだ。
中はスィートルームで、重厚な家具が置かれていて、あかりは目を輝かせた。
「うわぁ、素敵」
あかりはつい口にすると、咲哉はそれを聞いてたのか、ふっと微笑んだのを、あかりは知らない。
「ぼっちゃま、いらっしゃいませ」
ウェイターの一人が案内した。
「いつもありがとう」
咲哉は微笑んだ。
「よしよし、まだお袋たちは来ていないな」
咲哉は軽くガッツポーズをすると、お手洗いから、
「何をやっているの。はしたない」
咲哉の母親がお手洗いからやってきた。
ガッツポーズをしただけではしたない、なんて言われるのって、凄く厳しいお母様なんだ、と、あかりは思った。ただの探偵さんだけではないだろう。ますます謎だ。
母親はチラリとあかりを見た。あかりは、
「はじめまして! こんばんは」
と、挨拶をした。
「こんばんは。あなたが咲哉のいい人ね」
ん? なんて声を出そうとしたが、なんだかはしたない、と、思われそうだったのでやめた。
こんなラグジュアリーなホテルの厳粛なスィートルームだ。
漆山さんの彼氏ということかしら?
この状況だと、旨く行かせたほうがいいの、かな? あかりはどちらへ進もうか悩んでしまう。厳しそうなお母様だ。気に入られてもあとあと困るし......。おこがましいけど漆山さんの彼氏なんて。
うーん。
普通でいいわよね。うんうん。あかりは一人納得していると、漆山親子はキョトンとしていた。
「えーっと、親父はどうなの?」
「事件で立て込んでいるから、どうかしらね」
えっ? 事件?!
ますますよく分からない。漆山さんってどんな事やってた人なんだろう。
「こんな時でもなぁ。まぁいいけどさ」
「そんな事言うものではありませんよ」
「すみません」
「時間になったら始めて良いって、お父さん言ってたから」
「そう。今日はなんの料理かな?」
咲哉は料理長らしい人に聞いてみる。
「国産の牛肉が入りましたので、牛肉をメインに料理しようと思います」
「わっ、楽しみ!」
あかりは思わず声を出してしまい、ハッとして、口を手で押さえた。
「す、すみません。はしたなくて」
「いいんですよ。食べることに興味があるのは、非常に健康の証です」
お母様は微笑ましそうに言った。
「あかりは好き嫌いあるっけ?」
「わたしは特にないです」
「そう。よかった」
「あら、まるで一緒に食事したことのないような雰囲気ね」
「色々忙しくて、なかなか、ね」
「はい」
スムーズに会話をする咲哉の調子に合わせたので、慌てることもなく乗れた。
咲哉のお父様は時間になっても来ることはなく、ディナーが始まる。
どれも美味しくて終始食べてばかりのあかり。母親までもあかりの食べ方に微笑ましく見ていた。
ワインもおかわり。
「このワイン、美味しいですね」
「イタリアから寄せた90年代モノです」
専属のシェフが言った。
「そんなワインを飲んで大丈夫?」
咲哉は心配そうに言った。
「はい! 多分、強いですから」
「多分......」
二人は不安に呟いた。
「こんなところあるんですね」
「うん」
咲哉はカードキーをドアに当てた。
カードキーでないと入れないレストランって、どんなところなのだろう? あかりはドキドキしてばかりだ。
中はスィートルームで、重厚な家具が置かれていて、あかりは目を輝かせた。
「うわぁ、素敵」
あかりはつい口にすると、咲哉はそれを聞いてたのか、ふっと微笑んだのを、あかりは知らない。
「ぼっちゃま、いらっしゃいませ」
ウェイターの一人が案内した。
「いつもありがとう」
咲哉は微笑んだ。
「よしよし、まだお袋たちは来ていないな」
咲哉は軽くガッツポーズをすると、お手洗いから、
「何をやっているの。はしたない」
咲哉の母親がお手洗いからやってきた。
ガッツポーズをしただけではしたない、なんて言われるのって、凄く厳しいお母様なんだ、と、あかりは思った。ただの探偵さんだけではないだろう。ますます謎だ。
母親はチラリとあかりを見た。あかりは、
「はじめまして! こんばんは」
と、挨拶をした。
「こんばんは。あなたが咲哉のいい人ね」
ん? なんて声を出そうとしたが、なんだかはしたない、と、思われそうだったのでやめた。
こんなラグジュアリーなホテルの厳粛なスィートルームだ。
漆山さんの彼氏ということかしら?
この状況だと、旨く行かせたほうがいいの、かな? あかりはどちらへ進もうか悩んでしまう。厳しそうなお母様だ。気に入られてもあとあと困るし......。おこがましいけど漆山さんの彼氏なんて。
うーん。
普通でいいわよね。うんうん。あかりは一人納得していると、漆山親子はキョトンとしていた。
「えーっと、親父はどうなの?」
「事件で立て込んでいるから、どうかしらね」
えっ? 事件?!
ますますよく分からない。漆山さんってどんな事やってた人なんだろう。
「こんな時でもなぁ。まぁいいけどさ」
「そんな事言うものではありませんよ」
「すみません」
「時間になったら始めて良いって、お父さん言ってたから」
「そう。今日はなんの料理かな?」
咲哉は料理長らしい人に聞いてみる。
「国産の牛肉が入りましたので、牛肉をメインに料理しようと思います」
「わっ、楽しみ!」
あかりは思わず声を出してしまい、ハッとして、口を手で押さえた。
「す、すみません。はしたなくて」
「いいんですよ。食べることに興味があるのは、非常に健康の証です」
お母様は微笑ましそうに言った。
「あかりは好き嫌いあるっけ?」
「わたしは特にないです」
「そう。よかった」
「あら、まるで一緒に食事したことのないような雰囲気ね」
「色々忙しくて、なかなか、ね」
「はい」
スムーズに会話をする咲哉の調子に合わせたので、慌てることもなく乗れた。
咲哉のお父様は時間になっても来ることはなく、ディナーが始まる。
どれも美味しくて終始食べてばかりのあかり。母親までもあかりの食べ方に微笑ましく見ていた。
ワインもおかわり。
「このワイン、美味しいですね」
「イタリアから寄せた90年代モノです」
専属のシェフが言った。
「そんなワインを飲んで大丈夫?」
咲哉は心配そうに言った。
「はい! 多分、強いですから」
「多分......」
二人は不安に呟いた。