紳士な弁護士と偽りデートから
あかりはふにゃふにゃした顔をしながら立ち上がると、
「えっと、わたし、これから用がありますので、失礼させて頂きます」
あかりはそう言って、一歩席から離れると崩れ落ちた。
「大丈夫?!」
咲哉は崩れ落ちたあかりの方へ駆け寄ると、あかりはすでに寝息をたてていた。
「............え?!」
「まぁ............。ふふっ、ワインは嗜むものなのに。咲哉、ベットへお連れしなさい」
「は、はぁ」
「今日はお開きね」
「すみません」
「それから、あまり人様を困らせないように」
「.........ん?」
「こんな大事な時に、他の予定があるなんて言いませんよ」
うっ。ぐぅの根も出ない。見透かされていた。
「会話を聞いてれば、ね」
母親は、ふふふっ、と、微笑んだ。
「.........さすが親父の奥様」
「親をからかうものじゃありませんよ」
「ごめんなさい」
咲哉は頭を下げた。
「ベットへお連れしなさい。わたしは帰るから」
「はい」
咲哉はすぅすぅ寝ているあかりを抱っこして、ベットへ連れて行った。
咲哉はウィスキーを飲みながら、
「......ほんと、可愛いよな」
なんて呟いてみる。
彼女に取って申し訳なかったけど、俺にとってはラッキーだった。
他の男とのデートを邪魔させることが出来たのだし。
最低だぜ.........、
なんて咲哉は思いながらも、どんな男なんだろうと、もんもんとする。
「うーん......、海都.........」
なんていうあかりの寝言。
咲哉は驚いた。まさか知り合いの名前がこの女性が呟くとは。
「世間って狭いな........」
咲哉は苦笑したものの、えもいわれぬ複雑な感情が生まれた。
海都とは大学時代からの友人ではあり、あの出来事も知っている。
「えっ.........、マジか?」
けれどあれとこれは別物と考えれば、俺だって幸せになりたい。
「よりによってあいつかよ......」
咲哉はウィスキーを飲んだ。
「あー......くそっ!」
咲哉は悶々と考えながらも、ようやくスマホに手を取る。
坪平海都に連絡をしてみた。
それでも海都はすぐに出てくれる。
《もしもし》
浮かない声。
時刻はもう八時半は過ぎている。
「もし、今の女性とうまく行きたいなら、◯◯ホテルの◯◯◯号室に来いよ」
《あ?》
「声がこえーよ! まぁ、ラウンジで待ってるから、来いよ! いいな! ふてくされて帰るなよ」
《ふてくされるなんて、お前じゃない。行くよ》
海都はそう言って、電話を切った。
「俺って、お人好しだわ」
咲哉はワインで酔って寝ているあかりの顔を見つめてから溜め息をついて、ひとまず、ラウンジへと向かった。
酒でも飲みたい気分だったが、目を冷ますために、コーヒーを頼んだ。
数分で海都がやってきた。
「なんだよ......」
海都は咲哉を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をした。
咲哉はスーツの裏ポケットから、部屋のカードキーを渡した。
「あの娘とどんな関係?」
「......お前にそれを言う意味あるのか? あと、あの娘って、誰だよ」
「部屋に行けば分かるけど、隠す意味ある? 何かやましい考えとか?」
「咲哉とは違う」
「なら、名前を言ったら?」
名前を言わないのは、海都の複雑な気持ちからだ。
多分、咲哉ははっきりと名前を言わせたいのだと思うが、海都は、まだ付き合ってもいないのに名前を出すのはどうなのだろう、と、考えてしまう。
「言っとくけど、二股とかじゃないからな」
「うん。それを聞いて安心。そもそも恋愛ベタだもんな、海都は」
咲哉はニタニタして言った。
「えっと、わたし、これから用がありますので、失礼させて頂きます」
あかりはそう言って、一歩席から離れると崩れ落ちた。
「大丈夫?!」
咲哉は崩れ落ちたあかりの方へ駆け寄ると、あかりはすでに寝息をたてていた。
「............え?!」
「まぁ............。ふふっ、ワインは嗜むものなのに。咲哉、ベットへお連れしなさい」
「は、はぁ」
「今日はお開きね」
「すみません」
「それから、あまり人様を困らせないように」
「.........ん?」
「こんな大事な時に、他の予定があるなんて言いませんよ」
うっ。ぐぅの根も出ない。見透かされていた。
「会話を聞いてれば、ね」
母親は、ふふふっ、と、微笑んだ。
「.........さすが親父の奥様」
「親をからかうものじゃありませんよ」
「ごめんなさい」
咲哉は頭を下げた。
「ベットへお連れしなさい。わたしは帰るから」
「はい」
咲哉はすぅすぅ寝ているあかりを抱っこして、ベットへ連れて行った。
咲哉はウィスキーを飲みながら、
「......ほんと、可愛いよな」
なんて呟いてみる。
彼女に取って申し訳なかったけど、俺にとってはラッキーだった。
他の男とのデートを邪魔させることが出来たのだし。
最低だぜ.........、
なんて咲哉は思いながらも、どんな男なんだろうと、もんもんとする。
「うーん......、海都.........」
なんていうあかりの寝言。
咲哉は驚いた。まさか知り合いの名前がこの女性が呟くとは。
「世間って狭いな........」
咲哉は苦笑したものの、えもいわれぬ複雑な感情が生まれた。
海都とは大学時代からの友人ではあり、あの出来事も知っている。
「えっ.........、マジか?」
けれどあれとこれは別物と考えれば、俺だって幸せになりたい。
「よりによってあいつかよ......」
咲哉はウィスキーを飲んだ。
「あー......くそっ!」
咲哉は悶々と考えながらも、ようやくスマホに手を取る。
坪平海都に連絡をしてみた。
それでも海都はすぐに出てくれる。
《もしもし》
浮かない声。
時刻はもう八時半は過ぎている。
「もし、今の女性とうまく行きたいなら、◯◯ホテルの◯◯◯号室に来いよ」
《あ?》
「声がこえーよ! まぁ、ラウンジで待ってるから、来いよ! いいな! ふてくされて帰るなよ」
《ふてくされるなんて、お前じゃない。行くよ》
海都はそう言って、電話を切った。
「俺って、お人好しだわ」
咲哉はワインで酔って寝ているあかりの顔を見つめてから溜め息をついて、ひとまず、ラウンジへと向かった。
酒でも飲みたい気分だったが、目を冷ますために、コーヒーを頼んだ。
数分で海都がやってきた。
「なんだよ......」
海都は咲哉を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をした。
咲哉はスーツの裏ポケットから、部屋のカードキーを渡した。
「あの娘とどんな関係?」
「......お前にそれを言う意味あるのか? あと、あの娘って、誰だよ」
「部屋に行けば分かるけど、隠す意味ある? 何かやましい考えとか?」
「咲哉とは違う」
「なら、名前を言ったら?」
名前を言わないのは、海都の複雑な気持ちからだ。
多分、咲哉ははっきりと名前を言わせたいのだと思うが、海都は、まだ付き合ってもいないのに名前を出すのはどうなのだろう、と、考えてしまう。
「言っとくけど、二股とかじゃないからな」
「うん。それを聞いて安心。そもそも恋愛ベタだもんな、海都は」
咲哉はニタニタして言った。